内部統制との違いは?内部統制とは厳密に言うと、「業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令などの遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセス」のことです(金融庁:「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」より)。換言すると「経営者を含む組織全体の従業員が遵守すべき社内ルールや仕組み」。ガバナンスは企業経営の統制及び監視機能を強化するための目的があり、事業活動の公平性と透明性を確保し、株主重視の経営を実行していくための取り組みです。ガバナンスは株主保護が目的の「外向き」の制度ですが、内部統制は組織内のコントロールが目的のあくまでも「内向き」の制度なのです。内部監査との違いは?内部監査とは、組織体の運営に関し価値を付加し、また改善するために行われる、「独立にして、客観的なアシュアランスおよびコンサルティング活動」のことです。上述してきたガバナンス、リスクマネジメント、そして内部統制の各プロセスの有効性の評価と改善を、内部監査の専門職として規律ある姿勢で体系的な手法をもって行うものであり、ガバナンス体制を構築していくためには欠かせない役割の一つとなっています。監査役による監査役監査、監査法人/公認会計士による外部監査と合わせて3様監査といいコーポレートガバナンスの世界では非常に重要な位置付けとなっています。最近よく聞くガバナンス・コード(コーポレートガバナンス・コード)とは?コーポレートガバナンス・コードとは、「ガバナンス体制を構築する際に守るべき原則・指針」のこと。金融庁と東京証券取引所が中心となって策定し、2015年3月に公表されたものです。「上場企業における不祥事を未然に防ぐこと」「日本の国際的な競争力を強化すること」を目的に作られています。上場企業にはコーポレートガバナンス・コードに関する報告書の提出が義務付けられており、「株主の権利・平等性の確保」「適切な情報開示と透明性の確保」「取締役会等の責務」などの5つの原則が守られていない場合には、「コーポレートガバナンス報告書」で理由を説明する必要があります。このコードの大きな特徴の一つは「遵守か説明か(comply or explain)」と呼ばれるソフトローであることです。全ての原則に対する遵守義務はなく、なぜ遵守しないかを説明すればよい、というものです。杓子定規な捉え方ではなく、経営者が自らの経営内容を投資家に分かりやすく説明することが不可欠です。中小企業には適用されないものの、最近では長期的な収益性を高めることを目的に、中小企業でもガバナンス・コードの活用が増えている傾向があります。
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